ブータン医療情報 ibportal.jica.go.jp.pdf

ブータン医療情報 以下は必ずしも最新の医療事情ではありません。詳細（特に緊急時対応や予防薬の服用 方法など）については現地医療事情に詳しい医療専門家から常に最新のアドバイスを受け るようにしてください。 最新更新履歴： 2016 年7 月 １．赴任前の準備 （１）予防接種 入国に際して、法的に義務付けられているものはないが、狂犬病、破傷風、A 型肝炎、B 型肝炎、ポリオ、腸チフス、日本脳炎などの予防接種が必要である。新生児、乳幼児に対 する予防接種（BCG、2 種混合ワクチンなど）は現地の病院でも接種可能である。ブータン では3 種混合ワクチンではなく５種混合（百日咳、破傷風、ジフテリア、B 型肝炎、Hib）と麻 疹・風疹ワクチンが導入されていている。また、HPV ワクチン、ポリオの不活化ワクチンの 接種も可能。成人の場合、インフルエンザワクチンを含め接種可能なワクチンはないため、 本邦で接種してくることが望ましい。 （２）その他の準備 コンタクトレンズは注文すれば入手可能。ケア用品はティンプーの眼鏡屋で購入できる。 メガネは現地で作ることも可能だが、質の面から本邦から予備を持参するのが望ましい。 自宅やホテルで、ノミ、ダニ、南京虫、ゴキブリ、ネズミなどの病害虫、有害動物の被害が 頻繁にあるため、鎮痒剤、抗ヒスタミン軟膏、ダニ除けシートなどを持参すると良い。 ブータン国内の移動は、ヘアピンカーブが多い厳しい山道の走行となるため、車酔いをし やすい場合は、酔い止め薬の持参を勧める。 歯科は首都や地方の病院にもあるが、設備、衛生面が十分ではないので、治療、チェッ クは赴任前に確実に済ませておいたほうがよい。 また、紫外線が非常に強いので、日焼 け止め、帽子、日傘、サングラスなどの日焼け対策も必要である。 ２．医療事情 （１）医療機関 ブータンの医療水準は決して高いとは言えず、医療器材、人材ともに不足している。 地方の医療施設には専門医がいないことがほとんどである。 ティンプー市内には国立のJigme Dorji Wangchuck National Referral Hospital （通 称ジェネラルホスピタル、以下JDWNR Hospital）とIndia Bhutan Friendship Hospital All Rights Reserved, Copyright (c) 2016 Japan International Cooperation Agency （インド駐留軍病院）がある。インド駐留軍の病院はインド人以外でも利用できるが、外 国人の利用はほとんどない。 多くの人はJDWNR Hospital に通院している。ブータン国内最大の規模で350 床を 有する国立病院であり、内科、外科、小児科、整形外科、耳鼻咽喉科、産婦人科、歯科、 眼科、麻酔科などの診療が可能である。2009 年11 月より新館への移転が始まり、現在 ほとんどの部門は新館へ移動した。新館の病室には Cabin と呼ばれる個室も準備され ており、1 部屋1,200～2,000Nu./ 日。 2006 年 6 月にインドの援助により、CT、MRI が導入され稼動しているが故障が多く 修理に時間がかかることがある。CT、MRI を有する病院は、首都のJDWNR 病院のみ である。超音波（一般、心臓）、内視鏡（上部消化管、大腸）、レントゲン（デジタル含む） などが実施可能。現時点でブータン国内に心臓カテーテル検査を実施している医療機 関はない。 医療費は外来診察料に加え、治療費（Essential Drug）、検査費、入院費（個室を除 く）のすべてが外国人（ツーリスト含）に対しても無料であるが、一部の薬代は自己負担 となる（病院薬局にない薬は市内の薬局にて購入が必要）。歯科は、クラウン、差し歯、 入れ歯などの作成は自己負担。通常の外来診療は非常に混雑している。 平日の 16 ：00～19 ：00 は、有料・完全予約制の時間外診療となる。予約が必要であ り、平日の 9 ：00～15 ：00 に電話での予約となる。各診療科が対応しているがその日に よって医師が不在で診察できないこともあるため、電話予約時に確認する必要がある。 診察料 Nu.500 に検査料（院内で受け取る薬代は無料）が別途かかるが、一般診療に 比べると待ち時間も少なく、診察がスムーズに受けられる。 また 2012 年 6 月から私立クリニックが開院し、外科と内科の診療が可能になっ